響き合い溶け合う身体~『談ス』第3弾鑑賞

談ス 凸し凹る

『 談ス 』 という舞台を見てきました。
舞台装置も音楽も台詞もほとんど無し。
身体の表現で魅せるシンプルな舞台でありながら、表現される世界の広がりはものすごく豊かです。
肉体。息づかい。間合い。タイトルのとおり、全身を使って踊っているような話しているような、不思議な舞台です。

振付・出演は、大植真太郎さん、森山未來さん、平原慎太郎さんの3人。
胸がすくような軽やかな動きを見せてくれる、すばらしい表現者の方たちです。人の身体ってこうして柔軟に動けるべきであり、実際動けるはずなのだと、気付かされます。
2016年に第1弾を鑑賞して感動。そして今回はその第3弾でした。(第2弾は異なるメンバーによる公演。札幌公演なし)

舞台上で繰り広げられる“談ス”は、パンフレットに「振付」とあるように、もちろん決めごとはあるに違いないのですが、まるで即興かのような自由さや無邪気さを感じさせてくれます。呼吸の音と、役者が舞台を跳ね回る音だけが響いてくる空間で、次々に形を変えて絡み合う3人の身のこなしを見ていると、頭の中がゆらゆら揺られ、ほどけて、のびやかになっていく気がしました。

談ス ステージ

▲ 終演後。(終演後は撮影自由)
これだけ削ぎ落とされたステージで、言葉を発さず
1時間強を魅せきる凄さにしびれます。

ツアーで北海道に来てくれることもうれしいです。ダンサーの1人、平原さんは北海道生まれだそう。
今回の会場は「わくわくホリデーホール」でした。
まだまだ全国各地でも公演が予定されています。

シリーズ第3弾のもうひとつのタイトルは、「凸し凹る」。ポスターデザインを見てもわかるように、読む順はこの限りではなく、どう読むのかも提示されていません。舞台を見たら明確にわかるわけでもありません。舞台上での表現にヒントをもらいながら、もやもやと、考えるたびに読み方が変わりそうです。

日々に追われたり年齢を重ねたりすると、創造する脳の部分を使わずに眠らせてしまっていることにハッとするときがあります。イメージする力、頭をやわらかくして発想する自分の感性、時々ちゃんと思い出しては巡らせていたいものです。

談ス ポスター

▲ポスタービジュアルは和装。かっこいいです。

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